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第1号 従業員への警告書について

著者:元田時男 2005年12月20日

1)労働者保護法と警告書

警告書は日本の始末書に相当するものであり、労働者 保護法119条では、解雇補償金を支払わないで解雇 できる場合として(4)で労働者が就業規則、使用者の 合法的な命令に違反し、使用者から書面で警告を 受けた場合は、解雇手当を支払うことなく解雇でき、 かつ、17条の5項により解雇事前通告を要しない。 1回」だけの警告書でいいかどうかは法では判然とし ないが、警告書を出した場合というのは2回以上の 場合と解釈するのが順当であろう。

そのためか、119条の(4)の但し書きでは、重大な違反 の場合は警告を要しないとある。

2)警告書の要件

このように重要な警告書であるが、労働裁判ではせっかく 出した事前通告が事前通告ではないという判例が結構多 いのである。

本件について、労働福祉省の法務部に照会したところ 明確なガイドラインは行政でも作っていないとのことで あった(05年12月14日労働者保護・福祉局法務部長談)。 また、労働法に関する参考書では過去の判例に基づいて 警告書の要件をまとめているので、それを参考にしたら という意見でもあった。

そこで、タイの著名な法律家であり多数の著書を書いて いるゲーソムサン・ウイラワン教授の「労働法解説」 {第9版、2005年8月ウインヌーチョン印刷(株)発行 }ですす められている形式を紹介したい。

同教授は同書158頁で、警告書には以下のことを盛り 込むことをすすめている。

  1. 警告書発行場所
  2. 警告書発行日(違反を行った日または使用者側が 違反を知った日、または調査を完了した日
  3. 特定の労働者に発行したものであること
  4. 当該労働者の違反に事実、すなわち、違反の年月日、 時間(大体の)、場所、状況
  5. 規則、規律、命令のどれに違反したか
  6. 指示をし、禁止し、再び同じ行為をしないという 文言があること
  7. 使用者の署名または発行者の署名

3)被警告者が受取り、書名を拒否した場合

これについては、バンコク日本人商工会議所発行 (現在絶版)資料156「労働者保護法解説および」 労働者保護法」1985年11月発行、プラコン・パント ウイチャークトン(当時中央労働裁判所主席裁判官)、 訳:村嶋英治がある。1998年労働者保護法の前の 「内務省労働者保護に関する省令」に基づくものであ るが、著者は109頁で以下のように述べている。

  1. 警告書を受取らせ、受け取りのサインをさせる
  2. サインなしの受取りも有効である
  3. 労働者が容易に読むことができる就業場所に 掲示する
  4. 受取証明郵便で郵送する
  5. 警告書を読み上げて受け取らす。もし、労働者が 受取らなかった場合、読み上げがあり、警告文が置かれ たということを保証する証人を用意して、労働者の 面前に警告文を置く

著者の意図は上記の方法を組み合わせて警告書発行 の事実証明を用意しておくということと思われる。
以上

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